はじめに

不登校になった場合、学校の勉強に遅れていくことが不安です

自宅やフリースクールで勉強していても、このスピードでいいのかと不安になることも多いです。ここではレイパスが実施している進度把握の方法をご紹介します。
子どもの想い
前提として、子どもたちが勉強に関してどのように思っているのか考えていきます。小中学生にもなってくるとその心は複雑で、シンプルなパターンわけは危険です。これからご説明する気持ちをすべて持っていると思っていただくのがよいと考えます。
自分のペースでがんばりたい
「授業中、先生の言っていることが全然わからない」「自分のペースで学びたい」
学校の勉強についていけず、困っている子どもたちは多いです。いわゆる7・5・3問題です。

7・5・3問題というのは、小学生で授業についていけている子が7割。中学生でついていけている子が5割。高校生では3割しか授業についていけていないという事実のことだな。
このような子については、「自分のペースでがんばっていこう」という声掛けが大切です。わからなくてもいいから、とにかく周りの子と同じペースで授業を聞いていても、なにも積みあがっていきません。
レイパスでも、1学年分さかのぼって学習してもらうことは多々あります。中学2年生に小学1年生の漢字から学びなおしをしてもらっていることもあります。その子は理科が得意で中学2年生のレベルにもしっかり付いていっていますが、他の科目で苦戦しています。その根本原因は、漢字が読めず教科書や先生の板書がわからないことにあると分析しています。
(一方で、学校の勉強が簡単すぎるために不登校になっている子もいます。レイパスに通っている小学6年生の子は、中学の範囲を先取りしています。つまり、「一人ひとりのペースで勉強することが大切」なのです。)
他の子と同じくらいできるようになりたい
「遅れているのは嫌だ」「平均点以上はとりたい」
自分のペースでがんばることは大切です。その思いと同時に、周りの子と同じくらいできるようになりたいという思いも持っているものです。

「君のペースでがんばっていこう」という声掛けは、子どもにとっては「君は他の子より遅れていていいんだよ」と聞こえ、プライドが傷つくということもあるんだな。

「周りと比べるな」というのはレイパスの信念です。
「我が人生、他と比較して自分を決めるなどというような卑しいことはやらない」
岡本太郎『自分の中に毒を持て』
一方で、周りと比べて秀でたい、劣っていたくないという感情も人として自然なものですし、切磋琢磨し向上していくエネルギーです。
学習進度把握スケジュール
学習進度把握スケジュールとは

そこで、周りと比べてどれくらいのところに自分はいるのか見える化したのが、「学習進度把握スケジュール」です。

全科目、単元ごとに□で学校の進度を表示しています。その日の目安進度は赤線で引かれている部分になります。そして■となっているのが学習済の単元になります。
レイパスでは、中学生全員に一人ひとり(極力所属の学校に合わせた)個別の学習進度把握スケジュールを作成しています。
学習進度把握スケジュールの効果

こんな表を出してもらえるとわかりやすいですし、安心できます
学習進度把握スケジュールを使って、現在の状況を見える化するとまず安心感があります。それは本人にとっても保護者にとってもです。
学校の進度よりも進んでいることが分かれば安心感があるのはわかります。が、もちろん学校の進度よりも遅れていることがはっきり見える化されることもあります。それで焦りを覚えることもあります。しかし、焦りと同時に「遅れていくことがはっきりわかった」という安心感もあるのが人の心理のようです。

遅れているとしても、今の場所がわかりどれくらい頑張ればいいかわかることで安心感が得られるんだな。
また、単元の学習が終わるごとに■で塗りつぶしていき、それを全科目俯瞰で見たときには達成感があります。それをレイパスのスタッフや保護者に見てもらい、「がんばってるね」と認めてもらった時には承認の喜びもあります。この達成感と承認は大切です。子どもたちの向上心がドライブされます。

児童精神科医の宮口幸治先生もおっしゃるように、達成感と承認は子どもたちのがんばる意欲につながります。
さらに、学校との連携でもこの学習進度把握スケジュールは活用されています。学校に出席を認めてもらうには、学習指導要領の履修範囲をある程度カバーできていることが求められます。(勉強範囲はまったく考慮せず、子どものがんばりだけで出席扱いしてくれる学校の方が多いのも実態です。)
学校として出席扱いにする根拠として、このように見える化された学習進度を毎月レイパスから提示していますので、納得感も得られています。
学習進度把握スケジュールの効果
① 子どもの安心感
② 子どもの達成感
③ 周りからの承認
④ 保護者の安心感
⑤ 学校の納得感
コメント
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